リワークが、NHKのドキュメンタリー番組「ナンブンノイチ」で放送。内容を紐解く。

リワーク

リワークプログラムのドキュメンタリーがNHK総合で放送されていました。

「ナンブンノイチ」という数字をテーマにした興味深い5分間の新番組。

その回は「30分の1」というテーマ。今の日本で何らかの精神疾患を抱える患者数は419万人で、つまり、30人に1人は、何らかの心の病に罹っているという数字です。

放送では、精神面の不調から職場へ通えなくなった女性が、復職するためにリワークプログラムへ参加する様子が描かれていました。

今回は、放送の中で紹介されていた内容を通して、以下のようにリワークプログラムの特徴を具体的に捉えていきたいと思います。

  • 放送されたリワークプログラム内容
  • リワークプログラムのスタッフ

参考までに、NHKの新番組「ナンブンノイチ」の特設サイトのリンクです。

「30分の1」 – ナンブンノイチ – NHK

放送されたリワークプログラムの内容

では、放送の中ではどのようなプログラムが行われていたのかを確認していきます。

5分間の番組なので、詳細は省かれていましたが、以下の様な内容が映し出されていました。

  • グループディスカッション
  • 散歩
  • 体操
  • 新聞を読む様子
  • パワーポイントの資料をパソコンで作成する様子
  • その他、パソコンを使った作業

短いながら、様々な内容が映像として紹介されていました。復職に特化したプログラムを行っている印象を受けました。

リワーク施設によっては、休職者だけを限定した施設と、休職者と失業者を同時に対象とした施設に分かれますが、復職を目指している場合は、休職者に絞った取り組みをしている施設を選択することが望ましいと思います。

理由は別の記事『休職者限定のリワーク施設と、失職者も利用可としている施設の違い』にて説明していますので、気になる方は読んでみてください。

リワークプログラムの運営スタッフはどんな職種なのか

放送では、2名のスタッフが紹介されていました。放送順に、作業療法士の方と、臨床心理士の方です。

リワークプログラムは精神科デイケアと呼ばれる実施枠で行われる場合が多いです。放送に協力した施設も、精神科デイケアで実施しているとの記載が日本うつ病リワーク協会の施設説明にありました。

精神科デイケアを行うにあたって、厚生労働省が定める様々な規定があります。スタッフ配置に関しても、様々な職種が一つのチームとして、リワークを利用している方へサポートしていることが分かります。

以下では、リワークプログラムへ関与する主だった職種の特徴についてみていくとにします。

  • 作業療法士
  • 臨床心理士・公認心理士
  • 看護師
  • 精神保健福祉士
  • 医師

作業療法士の役割

作業療法士とは「理学療法士及び作業療法士法」にもとづく国家資格です。

作業療法とは、「人々の健康と幸福を促進するために、医療・保健・福祉・教育・職業などの領域で行われる作業に焦点を当てた治療、指導、援助である」と日本作業療法士協会のHPに記載されています。

作業療法士は、医師の指示のもと、身体または精神に障害のある者に対して、主としてその応用動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、作業療法を用いて、対象者に接する職種となります。そのため、特にリワーク施設では、様々な治療プログラムの企画・運営に長けた職種となります。

臨床心理士・公認心理士の役割

臨床心理士とは、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定している資格です。

臨床心理学にもどづく知識や技術を用いて、人間の「こころ」の問題にアプローチする「心の専門家」であると協会のHPで説明されています。カウンセリングや心理検査を実施することが多い職種です。

日本には心の問題に取り組む職種として、心理カウンセラー、心理相談員など、様々な名称で呼ばれる人たちがいます。ですが、それぞれに明確な資格がある訳ではありません。一方で、臨床心理士は、同協会が1988年に設立されて以降、心理専門職の証として広く信用を得てきた職種です。

また、2015年には公認心理士法が施行され、心理職としては日本初の国家資格として、公認心理士が成立しました。

看護師の役割

看護師とは、看護師国家資格に合格し免許を得て、病気やケガで苦しんでいる人の身の回りのケアをしたり、医師の医療補助業務を行う職種です。

リワークでは、参加される方の服薬管理や、メンタルヘルス疾患だけでなく生活習慣病への対応など、きめ細かく生活状況に関わって改善をはかる役割を担っています。

精神保健福祉士の役割

精神保健福祉士は、精神保健福祉士法に基づく国家資格です。

精神科病院やメンタルクリニックなど、精神障害の医療や社会復帰の施設を利用している方に対して、地域相談支援の利用に関する相談や、その他社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、援助を行う業務を業としています。

リワーク施設を利用する方は、職場へ戻るという明確な理由があるので、リワーク施設での精神保健福祉士の役割としては、他職種よりも薄れてしまうかしれません。

医師の役割

医師は、上記で説明した様々な医療職を統括する立場となります。

リワークプログラムに実質的に参加することはあまりありません。他職種がリワークを運営し、その報告を受けて、リワーク利用者の方達の状況を把握する場合が多いです。

診察にてリワーク参加者の状態を確認し、必要な薬の処方を行ったり、復職しても問題ないかを総合的に判断する立場にいます。

まとめ

今回は、実際にNHKで放送されたドキュメンタリー番組になぞらえて、リワークを説明してみました。

現在休職中の女性が、リワークプログラムに参加する様子を通して、リワーク施設、プログラム内容、関係するスタッフについて、分かりやすく説明されていた番組でした。

もし、NHKアーカイブスや、地上波にて再放送される機会があれば、ご覧になられることをお勧めします。

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