HSPとは?復職支援や職場での対応法。敏感さと上手に付き合うための実践ガイド

リワーク

「自分は人より敏感なのではないか」「職場で疲れやすいのは性格のせいなのか」――そんな悩みを抱える方は少なくありません。近年注目されている概念にHSP(Highly Sensitive Person:ハイリー・センシティブ・パーソン)があります。

私も復職支援に関わる中で、HSPの特性を持つ方がリワークに参加している場面を何度も見てきました。今回は、HSPとは何か、そして復職支援や職場でどのように対応すればよいのかを整理してみます。

HSPとは?

HSPはアメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念です。視覚や聴覚などの感覚が敏感で、過度な刺激を受けやすい特徴を持ちます。また、感情の反応性が強く、共感力が高いため、相手の感情に影響を受けやすい傾向があります。

人口の約15〜20%、つまり5人に1人がHSPと考えられています。病気や障害ではなく、生まれ持った気質であるため、治療対象ではありません。

セルフチェックリスト

HSPかどうかを確認する目安として、アーロン博士のチェックリストがあります。以下の23項目のうち12以上に「はい」と答えると、HSPの可能性が高いとされます。

  • 環境の微妙な変化に気づきやすい
  • 他人の気分に左右される
  • 痛みに敏感
  • 忙しい日々が続くと刺激から逃れたくなる
  • カフェインに敏感
  • 強い光や匂いに圧倒されやすい
  • 想像力が豊かで空想にふけりやすい
  • 騒音に悩まされやすい
  • 美術や音楽に深く心動かされる
  • 良心的である
  • すぐに驚く
  • 多忙時に混乱しやすい
  • 他人の不快にすぐ気づく
  • 多くの依頼を一度に受けるのが苦手
  • ミスや忘れ物を避けようと常に気をつける
  • 暴力的な映像を避ける
  • 周囲の出来事が多すぎると不快になる
  • 空腹で集中できなくなる
  • 生活の変化に混乱する
  • 繊細な香りや音楽を好む
  • 動揺する状況を避ける
  • 競争や監視下で緊張する
  • 子供の頃「敏感」「内気」と言われた

このチェックは診断ではなく目安です。該当が少なくても生活に支障が出る場合は、工夫が必要です。

リワークでの対応法

リワークでは、自分の症状を無理に隠す必要はありません。話せる範囲で伝えることで、共感や理解を得られる場合があります。

  • 症状を共有する自由:伝えたいことだけを話せばよい。無理に隠す必要はない。
  • 共感の獲得:同じ悩みを持つ参加者から共感を得られる。
  • 改善策の共有:他の参加者の工夫を知る機会になる。

ただし、大規模な施設では刺激が強すぎる場合もあります。小規模なリワーク施設を選ぶことで、落ち着いて参加できる可能性が高まります。

職場での対応法

職場ではリワーク以上に理解を得るハードルが高くなります。突然伝えても理解されない場合、本人のストレスにつながります。

そこで有効なのが、第三者の協力です。主治医やリワークスタッフに症状を説明してもらうことで、職場の環境調整がスムーズに進むケースがあります。

私が関わった事例では、以下のような配慮が実際に認められました。

  • 空調や人通りが気になる席からの席替え
  • 電話の音に驚くため、電話機の配置を変更
  • 光刺激を避けるため、色付き眼鏡の使用を許可
  • 周囲の音を遮断するため、ワイヤレスイヤホンの使用を許可

こうした環境調整により、復職後も快適に働けるようになった方は多くいます。ただし、すべての職場で配慮が得られるわけではないため、主治医や産業医と十分に相談することが大切です。

感覚刺激を和らげる工夫

HSPの方が日常生活で取り入れやすい工夫を紹介します。

  • 視覚:度の低い眼鏡やコンタクトで「見えすぎ」を防ぐ。必要に応じて外す。
  • 聴覚:休憩時間にイヤホンで心地よい音楽を聴く。
  • 嗅覚:マスクの裏に香水を少し付けて、自分の癒される香りを楽しむ。

こうした小さな工夫が、日常の刺激を和らげ、心身の安定につながります。

まとめ

HSPは病気ではなく、生まれ持った気質です。

  • 自分の特性を理解すること
  • リワークや職場で無理なく伝えること
  • 環境調整や小さな工夫を取り入れること

これらを意識することで、HSPの方も安心して復職し、働き続けることができます。私自身も現場で「小さな工夫が大きな安心につながる」場面を何度も見てきました。どうか一人で抱え込まず、周囲の理解を得ながら無理のない範囲で取り組んでみてください。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。症状については必ず専門医にご相談ください。

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