あなたは普段の生活で、怒りを感じてイライラすることはありますか?
私たちの周りには、普段から怒りに結びつく出来事が沢山あります。ひとつひとつに腹を立てていたら、神経がすり減って身が持ちません。
今回は、怒りについて改めて捉えなおし、自分の怒りを上手くコントロールすることについて考えていきましょう。
そもそも、「怒り」とは?
怒りは、人間にとって自然な感情です。
「喜怒哀楽」というように、嬉しい、楽しい、悲しいと同じ、無くすことのできない、人に自然と身についている感情です。決して悪い感情ではありません。
怒りは2次感情。その裏に潜む感情とは?
怒りは2次感情と言われます。そもそも怒りに結びつく前に、私たちには次のような状態にあります。
「こうあって欲しい」という期待、理想が裏切られたとき、また、わかってほしいという思いが理解してもらえなかったとき、怒りが生まれます。
その時感じる、「悲しい」「つらい」「悔しい」「寂しい」「不安」「困惑」・・・といった気持ち(一次感情)が「怒り」(二次感情)となって溢れます。
怒りの特徴
怒りには、次のような特徴があります。
- 怒りは自分の信念と結びついているため、他の感情と比べると、強いエネルギーをもっている。
- 怒りは強いエネルギーを持っているため、自分が怒りに振り回されてしまいやすい。
なぜ怒りの感情に振り回されてしまうのか
怒りの感情に振り回されてしまうのには、次のような訳があります。
- そもそも「怒り」の感情について、しっかり理解していないから。
- 「怒り=悪い感情」、「怒ること=いけないこと」と思っているから。
- そのため、怒りを無理に抑え込み、向き合わないでいるから。
怒りのコントロールを苦手とする人の特性
怒りのコントロールを苦手とする人は、次のような特徴がみられます。自分自身や自分の近しい人を振り返ってみてください。
- 高いレベルの緊張
- 高い衝動性
- 共感性の乏しさ
- 自己破壊的な怒り
- 低い自尊感情
- 自己主張の問題
- ストレス対処への困難
高いレベルの緊張
不安やストレスという感情を和らげることが出来ない傾向がみられます。
高い衝動性
思考や感情の確認が苦手で、考えるより先に口に出す・行動にうつす傾向があります。
共感性の乏しさ
他者がどう感じているのか理解するのが難しく、他者へ関心を示しません。
自己破壊的な怒り
良くない結果になるとわかっていても、行動を修正できない傾向にあります。
低い自尊感情
自尊感情が低いと、脅威に対して脆弱になってしまいがちです。
自己主張の問題
自己主張が苦手な人は、感情を抑制するか、過激的で攻撃的な態度を表しやすいです。
ストレス対処への困難
ストレス対処ができず、問題を避けようとする傾向があります。それはさらにストレスを溜めることに繋がり、心配し過ぎたり、考えすぎたりする傾向もみられます。
「すぐ怒る人」によくみられる態度や考え方
- 責任転嫁する傾向
- 他者へのネガティブな認知のゆがみ
- ステレオタイプの当てはめ
- 不合理な信念
- 自己や他者への過度の期待
責任転嫁する傾向
他者のせいにして自分を正当化し、自分自身を納得させて、自尊感情を保ちます。
他者へのネガティブな認知のゆがみ
他者に関する考えを歪曲する傾向があります。
ステレオタイプの当てはめ
ごく少ない情報だけで他者を決めつけようとする傾向がみられます。
不合理な信念
ほとんど証拠がないのに、自分の安全が脅かされているとの不合理な信念をもちます。
自己や他者への過度の期待
自己や他者に厳格なルールを決めつけようとする傾向にあります。そして、ルールが破られることに上手く対応ができません。EX)「相手には常に礼儀正しく敬意を払い接するべきだ」
怒りへの対処法
怒りへの対処法を準備しておけば、いざイライラする場面になっても、怒りに飲み込まれずに対処することができるようになります。
では、具体的にどのような対処法があるのか、みていきましょう。
- キッカケの予測
- 信念の変化
- リラクゼーション
- 落ち着いて伝える
- 結果から学ぶ
キッカケの予測
自分がイライラしやすい状況やキッカケを、前もって予測しておきましょう。
振り返ってみると、同じ状況でイライラしているという人が割と多く見受けられます。
同じ状況にならないように、事前に対処方法を考えておくと、無用なイライラを避けることが出来ます。
信念の変化
怒りを引き起こすのは、状況自体ではなく、その人がその状況をどう考えているかです。
自分を追いつめがちな考え方をしていないでしょうか。
自分へも相手へも、少しだけ期待値を下げてみると、少し楽に物事が考えられるようになります。
リラクゼーション
心身の緊張が緩和されれば、感情をコントロールしやすくなります。
イライラした時は、深呼吸をしたり、一旦その場を離れるなどして、クールダウンすることも有効です。
気持ちが落ち着いてから、もう一度問題を捉え直してみましょう。
落ち着いて伝える
攻撃的に伝えるとその後の関係が悪くなります。また、伝えずに我慢しては相手に分かってもらえません。
落ち着いた口調で言いたい事をしっかり伝えましょう。
結果から学ぶ
結果を振り返ることで、次回同じような怒りを回避することが出来ます。
何事も今後に生かすことが大切です。
まとめ
いかがだったでしょう。今回は、怒りについてみてきました。
怒りはなくすことの出来ない自然な感情です。
自分の中で怒りへ繋がる気持ちに目を向けてみてください。