はじめに:ADHDとリワークの関係
リワークには、うつ病や適応障害など、様々な診断を受けた方が参加しています。では、ADHD(注意欠如多動症)の診断がある場合でもリワークに参加できるのか?
結論からいえば、現在ではADHDの診断が出ていてもリワークへ受け入れている施設が多いです。私自身、医療現場で関わる中で、ADHDを抱えながらリワークに参加している方を多く見てきました。今回は、ADHDの特徴とリワークとの関わりについて整理します。
ADHDとは?大人のADHDにみられる特徴
ADHDは「注意欠如多動症(Attention-deficit hyperactivity disorder)」と呼ばれる疾患で、発達障害に分類されます。発達障害は、生まれつきの脳の働き方の違いにより、幼児期から行動面や情緒面に特徴がみられる状態です。
大人のADHDでは、以下のような特徴が目立ちます。
- 不注意:集中が続かず、仕事や生活でミスが多い
- 多動性:落ち着きがなく、じっとしていられない
- 衝動性:思いつきで行動し、失敗やトラブルを繰り返す
症状の程度は人によって異なり、軽度の場合は見過ごされることもあります。大人になってから職場で不適応を起こし、精神科や心療内科を受診して初めて気づくケースも少なくありません。
ADHDにおける不注意の具体例
- 書類作成で誤字脱字や記入漏れが目立つ
- 騒音や雑音で集中が途切れやすい
- 優先順位を付けるのが苦手で期限を守れない
- 会話の内容を忘れやすい
- 鍵や財布などの忘れ物が多い
ADHDにおける多動性の具体例
- 会議で長時間座っているとイライラする
- 不要に歩き回る
- 姿勢を頻繁に変える
- 貧乏ゆすりや指で音を立てる
- 早口で一方的に話す
ADHDにおける衝動性の具体例
- 些細なことで怒りが爆発する
- TPOをわきまえない発言や行動
- 突発的なミスを繰り返す
- ギャンブルや衝動買いに走りやすい
- アルコールやカフェイン依存に陥りやすい
リワークを通してADHDが見つかることもある
リワークでは、主にうつ病や適応障害、不安障害の方が多く参加しています。ですが、参加中にベースにADHDなどの発達障害があることが判明するケースもあります。
- 職場不適応からうつ状態や不安状態に陥る
- 精神科で「うつ病」「適応障害」と診断される
- リワーク参加中に発達障害の特性が明らかになる
その結果、診断名がADHDに切り替わり、服薬内容も変更されることがあります。これは誤診ではなく、診察だけでは判断しにくい発達障害が、リワークという集団活動の中で明らかになるためです。
ADHD専門プログラムを実施している施設もある
施設によっては、発達障害専門のプログラムを設けている場合があります。
- グループでのプログラム
- 個別対応のプログラム
- 就労移行支援事業所での発達障害専門プログラム
自分がADHDの診断を受けている、あるいは傾向があると自覚している場合は、施設に連絡する際にスタッフへ伝えると安心です。
チェックリスト:ADHDでリワークを考える際のポイント
- ADHDでもリワークに参加できる施設は多い
- 参加中に発達障害が判明するケースもある
- 診断名が変わることは珍しくない
- 発達障害専門プログラムを実施している施設もある
- 事前にスタッフへ相談することで安心して参加できる
まとめ:ADHDでも安心してリワークに参加できる
リワークはうつ病や適応障害の方が多いイメージですが、実際にはADHDなどの発達障害を抱えた方も多く参加しています。施設によっては専門プログラムもあり、安心して取り組める環境が整っています。
私の経験からも、「自分に合った施設を選び、スタッフに相談すること」が継続参加と復職成功の鍵になると感じています。
自分がADHDかもしれないと思ったら、まずは主治医に相談し、必要に応じてリワーク施設へ問い合わせてみてください。
※本記事は一般的な情報の提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。症状については必ず専門医にご相談ください。



